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アメリカはフィラデルフィアに住む“りんたろう”のブログ


by ring_taro
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演奏会全体の印象を色でいうなら「ピンク色」

フィラデルフィア管弦楽団演奏会 (Jan. 21, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

モーツァルト: 「魔笛」序曲
リヒャルト・シュトラウス: オーボエ協奏曲
リヒャルト・シュトラウス: メタモルフォーゼン
モーツァルト: ピアノ協奏曲第27番

クリストフ・エッシェンバッハ: 指揮
リチャード・ウッドハムズ: オーボエ
エマニュエル・アックス: ピアノ

いつもフィラデルフィア管のプログラミングには感心させられます。

フィラデルフィア管は一月に"Late Great Works Festival"と称して、作曲家たちの晩年の曲でプログラムを組んでいました。今回はモーツァルトとリヒャルトの最晩年の美しーい4曲を堪能しました。

でも、10年近くアマオケで楽器吹いてると、こういうプログラムみて「あー、トロンボーンとトランペットの出番は最初の魔笛5分強だけかー、気の毒」とか、どうでもいいことを考えてしまうのですが。

ウッドハムズのオーボエは、目を閉じて聴いていると、さながらお花畑を舞う蝶のよう。ふわりと舞い上がっては、花にとまり。ってなにを恥ずかしい妄想してるんだか…。しつこいようですが、ホリガーとはとても同じ楽器とは思えません。あー、この曲大好き。

メタモルフォーゼンはフィラデルフィア管の弦らしく、とても色彩感豊かなであたたかみのある演奏。例えるならばピンク色か。本当のところを言うと、この曲はもっと透明な音色というか、うかつに触ると凍傷になってしまいそうな冷たさとか、そういう演奏が好みなのですが(そういう音楽だと思うし)、これだけ面白く聴かせてくれれば文句を言うことはできません。

アックスによるピアノ協奏曲では第二楽章冒頭がとても印象的。ピアノ独奏で始まり、その旋律をオーケストラが繰り返す部分、ホールの空間がさーっと色づいたように思えました。こういう瞬間に立ち会いたいがために、今日も演奏会場に足を運ぶわけです。

気になったのは今年に入ってから、弦の並びが

 1st Vn, Vc, Va, 2nd Vn

になったこと。去年まではたとえオール・バロック・プログラムでさえも、順番に高弦から低弦が並ぶフィラデルフィア伝統のシフト(いわゆる「ストコフスキー・シフト」)だったのですが。音楽監督エッシェンバッハの意向でしょうか?

正直な話、現在の弦のアンサンブルは若干ユルユル状態にありますが、それは仕方のないことでしょうし、すぐにリカバリーされることでしょう。でも、現在の流行かどうかは知りませんが、個人的な好みをいわせていただければ、フィラデルフィア管のヴァイオリンは1stと2ndが並んでムワーっとエロい音を出してなんぼだと思うわけです。

ま、僕の好みなど知ったこっちゃありませんが。
by ring_taro | 2005-02-26 14:38 | クラシックの演奏会