アメリカはフィラデルフィアに住む“りんたろう”のブログ


by ring_taro
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弦楽四重奏の個性というものがわかってきた

東京カルテット演奏会 (Feb. 16, 05)
キメル・センター、ペレルマン・シアター

ハイドン: 弦楽四重奏曲「騎士」 Op. 74, No. 3
ウェーベルン: 緩徐楽章 (Langsamer Satz)
ベートーヴェン: 弦楽四重奏曲第15番 Op. 132

僕は弦楽四重奏はあまり頻繁に聴くわけではないし詳しくもないのですが、そんなシロウトの僕でも先日聴きにいったジュリアード・カルテットとはまったく違う響きだとわかりますね。

ジュリアード・カルテットはそれぞれの奏者の強烈な音を重ねあわせることで音楽をつくっていくのに対して、東京カルテットは一糸乱れぬアンサンブルで凝縮された音楽をつくります。スケールの大きさや音楽の放つ熱量ではジュリアード、完成度や集中力では東京といった感じでしょうかね。

以下、曲ごとの感想を。

僕はハイドンの「その時代の制約された音楽の形式やルールの中でどんだけこっそり自己主張を仕込むことができるかという遊び心」が大好きです。例えばソナタ形式の再現部はタダでは再現しないぞみたいなね。交響曲なんかにくらべて弦楽四重奏はそのことがよりはっきりとわかります。

ウェーベルンはずいぶんわかりやすい曲だなあと思ったら、かなり若いころ(1905年)の作品なんですね。すごくきれいな曲でした。

そしてベートーヴェン。
後期ベートーヴェンのピアノソナタや弦楽四重奏の音楽的な深さは、他の追随をまったく許さないものがありますね。Op. 132は45分くらいかかる大曲なのですが、なんていうか、もうホント、聴いててクラクラしてきます。

特に第三楽章モルト・アダージョのすばらしさといったら・・・。寂寥感と懐かしさがいっぺんに押しよせてくる感じ。
そこに描かれているのは広大な抽象の世界。でもその世界のなかに決して開かない扉があって、その扉の先にはいつかの懐かしい決して戻ることのできない風景が広がっている。
そんな感じでしょうか。

ま、妄想はさておいて。

東京カルテットのすばらしさは、そういった曲ごとの魅力を最大限に引き出してくれるところにあります。演奏のすばらしさよりも、曲のすばらしさで胸がいっぱいになる。

そんな演奏にあこがれます。
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by ring_taro | 2005-02-28 03:41 | クラシックの演奏会