フィラデルフィア管弦楽団演奏会 (Feb. 25, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール
グリーグ: ピアノ協奏曲
シューベルト: 交響曲第九番「グレイト」
ヴォルフガング・サヴァリッシュ: 指揮
ユンディ・リ: ピアノ
2004-05シリーズ最後のサヴァリッシュ指揮の定演です。
今回のサヴァリッシュ指揮の三回の演奏会のなかでは、この日の「グレイト」が一番よかったです。
グリーグでピアノを弾いたユンディ・リって、最近日本でも人気がありますよね。
プログラムの写真をみたら、ジュビロ磐田の藤田選手そっくり。で、でてきたのを見たら、レジーナの中村選手とフェイエノールトの小野選手を足して割った感じでした。まあ、見た目はどうでもいいのですが。
一番印象に残ったのはそのタッチの強靭さ。結構後ろの席で聴いていたのですが、細かい音までよく聴こえました。今までこのホールで聴いたピアノの中でも、音の明晰さでは際だっていました。音楽にあいまいな部分が一切ないところが好感が持てます。
1982年生まれ。これからスタイルはどんどん変わっていくのでしょうが、今のところ音の力強さが最大の魅力のようです。そういうところが、グリーグにあっていたと思います。
ところで休憩時間のあいだ、隣に座っていたマダムがずーっと「すばらしいわー!なんといっても若い!若いわー!いいわー!」と話しかけてきました。
どこの国でも、なんというか、その、同じなんですね。
休憩後のシューベルトはとてもすばらしかったです。
前半のグリーグでも、前回書いたようなところどころでのオーケストラの「緩み」は気になっていたのですが、シューベルトではそういったことは一切ありませんでした。(どうも緩みの原因はオーケストラの集中力の欠如だったように思えてなりません。)
木管の名手たち、例えばオーボエのリチャード・ウッドハムズやクラリネットのリカルド・モラレス、がすばらしかったです。弦とうまいこと音を混ぜながら存在感もしっかり見せるあたりはまさに匠の域。二楽章なんて「はやく終わんないかなー」なんて思うこともしばしばな僕ですが、あっというまに終わったように感じましたもん。
それにしても、このオケはそれぞれの楽器の音を重ね合わせて一つの「色」にするのが本当にうまいです。キツめの色がニュッとでてきて自己主張をしだす、なんてことは決してありません。ここらへんがニューヨーク・フィルとの一番の違いですね。
あいかわらずサヴァリッシュのテンポ設定はゆったりめ。しかしそのようなおおらかな流れの奥底にかなりの緊張感が潜んでいたことが、この日がそれまでの二回の演奏会と異なる点でした。
来シーズンのサヴァリッシュはハイドン、メンデルスゾーン、ブラームスの交響曲など。お、ヒンデミットの変ホ長調交響曲なんてものもある。
楽しみになってきました。