アメリカはフィラデルフィアに住む“りんたろう”のブログ


by ring_taro
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なんと滑らかなベートーヴェン

フィラデルフィア管弦楽団演奏会 (Apr. 16, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

リムスキー=コルサコフ: ロシアの復活祭序曲
ストラヴィンスキー: ハ調交響曲
ベートーヴェン: 交響曲第七番

シャルル・デュトワ: 指揮

前回の演奏会よりも「デュトワらしさ」を理解しやすいプログラムだったと思います。

僕が初めて買ったストラヴィンスキーの交響曲のCDはデュトワのものでした。確かスイス・ロマンド管とのものだった気がします。その録音があまりに鮮烈だったので、そのあと聴いたどのCDも物足りなく思ったものでした。

と、今回の演奏はその録音とはずいぶん印象が違う感じ。テンポは相当遅く、音楽がやわらかい。出色だったのは二楽章。ゆったりとしたテンポのなか、弦が木管が美しいメロディを紡いでいきます。

フィラデルフィア管がこの曲を以前に演奏したのは2000年。(その前となると1964年までさかのぼります。)指揮はサヴァリッシュ。この日の演奏以上にまったりとしたストラヴィンスキーだったのではと勝手に想像します。あるいはそのときの演奏が、今回のおおらかなストラヴィンスキーのベースをつくったのかも。


ベートーヴェンも同様、カドのとれた柔らかな音楽でした。

こんなに流麗なべト7は聴いたことがありません。とにかく音楽が流れる流れる。この曲を特徴づけているリズムは後方に押しやられ、滑らかさが前面に出ている感じ。

一楽章の途中、ずーっときざまれているビートが一瞬エアポケットのように無くなる部分があるのですが、ここが面白い。それまではこのビートのおかげでかろうじて保たれていた曲のリズミカルな側面が、この部分で楔を抜かれたようにふっと緩んでしまいました。

この曲もストラヴィンスキーと同様、二楽章が一番よかったです。冒頭、弦が次第に重なっていく部分から最上のバランスと美感で音楽が進んでいきます。一分のすきも無いまさしく完璧な音楽でした。


デュトワがベト7を振ったらこんな感じになるだろーなーと想像した通りの演奏でした。デュトワがそれだけ自分のスタイルを確立した指揮者だからか、それとも僕があまりに先入観で音楽を聴きすぎているのか・・・。


ところでこの日の演奏会はフィラデルフィア管をはじめて聴くという人と一緒に行ったのですが、演奏が終わった直後の第一声が「深みのない音ね」。

「ねーよ、そんなもん」と喉のところまで出かかりましたが、思いとどまり「えー、そうですかー?」とか言ってしまいました。ああ、なんだかちょっと自己嫌悪。
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by ring_taro | 2005-04-22 07:46 | クラシックの演奏会