アメリカはフィラデルフィアに住む“りんたろう”のブログ


by ring_taro
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マゼールはすごい!すごすぎる!

ニューヨーク・フィルハーモニック演奏会 (Sept. 24, 04)
リンカーン・センター、エーブリー・フィッシャー・ホール
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メシアン: 忘れられた捧げ物
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン: 交響曲第七番

ロリン・マゼール: 指揮
マキシム・ヴェンゲロフ: ヴァイオリン

ちょっと前の話ですが、大学オケの先輩がニューヨークを訪れるというので、それなら一緒にコンサートを聴きにいこうということになりまして、行ってきましたニューヨークへ。ニューヨークはフィラデルフィアから一番速い電車で一時間ちょっと、一番遅いバスで二時間ちょっとくらいです。

いや、しかし、マゼールはすごいよ、普通じゃないよ。

最初は油断してました。だって、メシアンとメンデルスゾーンはまともだんったんですもん。ホールのせいもあるのかもしれませんが、ニューヨーク・フィルの沈みこむような暗い音色が印象に残りました。なんかこう、演歌のステージとかで、ステージからドライアイスがモワーっと客席に這っていくような感じの音色。

しかしそんなことで感心している場合じゃなかった。

ベートーヴェンの七番は出だしの一音からもうただものじゃない雰囲気を漂わせる。「ズゥウゥワァーァン」て。そしてそのおかしなテンションを最後まで保ちつづける。いや、ますますテンションがあがってきたぞ。第二楽章はちょっとびっくりするほど速いテンポで始まるが、そこはマゼール/ニューヨーク・フィル。細かい部分にまで表情付けはおこたらない。伸縮強弱自由自在。第三楽章は普通に演奏されると退屈な楽章なんだけど、マゼールは退屈なんかさせないよー。弦の細かーいボーイングにまで芸を仕込むよー。ガシガシ弦をこすらせといて、最後にエロいアップとかね。そんで第四楽章はもう悪ふざけ一歩手前。ホルンなんて最初はわざとダルダル吹いてるのにクライマックスでは大咆哮。あのメンデルスゾーンの渋ーい音楽はいったいどこにいってしまったのでしょうか?お客もノリノリ。

一番関心したのはマゼールが曲の隅からスミまで仕掛けを仕込んでいるのに、ニューヨーク・フィルがしっかりと対応していること。まさに愉快な共犯関係。しかも「わかる人にはわかる」っていうような奥ゆかしい仕込みかたではなくて、「はーい!実はここでちょっと面白いことしまーす!でもみんなには内緒ですよー!」って大声あげながら練り歩く感じ。つまり愉快な共犯関係は観客にまで広がるのです。そりゃ楽しいわな。

紆余曲折はあったのでしょうが、こんなおもろいことができるニューヨーク・フィルの音楽監督につくことができたマゼールはやはり幸せ者だと思うし、そんなおもろい音楽を毎週のように聴くことができるニューヨークの人も幸せだと思いました。あー、また聴きに行きたいなー。でもさすがに気軽に行ける距離ではないですよね。

ちなみにこの日はマチネーだったのですが、開演時間が午前11時という日本ではあり得ない早さ。ほぼ朝じゃん。でも客席はほぼ埋まっているのです。すごいですね。しかも、フィラデルフィアでもマチネーだとそうなのですが、お客さんはほとんどがご老人。客席一面白髪頭。まるでキャベツ畑のようでした。
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by ring_taro | 2004-10-19 13:01 | クラシックの演奏会