アメリカはフィラデルフィアに住む“りんたろう”のブログ


by ring_taro
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カテゴリ:クラシックの演奏会( 39 )

オスロ・フィルハーモニック管弦楽団演奏会 (Mar. 11, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

ドビュッシー: 牧神の午後への前奏曲
プレヴィン: ヴァイオリン協奏曲
リヒャルト・シュトラウス: アルプス交響曲

アンドレ・プレヴィン: 指揮
アンネ=ゾフィー・ムター: ヴァイオリン

成田からシカゴ経由で帰ってきてすぐの演奏会。
どう考えても無謀だと思うのですが(まあ、結果的に無謀だったわけですが)、なぜそんなにまでして聴きに行こうと思ったのかというと、ムターのヴァイオリンを一度ライブで聴いてみたかったからです。(この事に関しては、聴きに行ってよかったです。)

前プロのドビュッシーの冒頭フルートから、管楽器の音がアメリカのオケとまったく違うことに驚かされます。「ヨーロッパの音」なんてひとくくりにはできないことはわかっているのですが、なんていうか、この、「あいまいとしたところを残した音」というのでしょうか。イメージの話ですよ。

例えば聞いた話によると、北欧のホルンってすごく重いんだそうです。(重量というよりも吹いたときの抵抗が。)

僕はずっとアメリカ製のホルンを吹いているのですが、ヨーロッパ製のホルンを吹いているひとに試しに僕の楽器を吹いてみてもらうと、「まるでオートマ車を運転しているみたいだ」とか言われます。マニュアルとオートマくらいの違いがあるんですねー。
(ちなみに僕が吹いているホルンはホルトンのタックウェル・モデルという、アメリカ製のホルンの中でも相当に軽ーいホルンなのですが、それになれちゃうとドイツのホルンなんてふけません。)

マニュアルの車にこだわり続ける人がいるように、ドイツや北欧のホルンでないと表現できないものがあるのでしょう。音をコントロールする能力という点においてはアメリカのメジャー・オケは世界でも群を抜いていると思いますが、それでもアメリカのオケをワンランク下に置くクラシック・ファンの人がいるのは、まあ、そういうことなんだと思います。

僕はというと、アメリカのオケは大好きなんですけれど。
ちなみに僕は自動車免許もオートマ限定ですが。

中プロはプレヴィン自作のヴァイオリン協奏曲。プログラムによると2002年にムターのソロでボストン響により初演された曲だそうです。

このひとのヴァイオリンって、どうして聴くたびにいつも「この演奏がこの曲の一番正しいあり方だ」って思わされるのでしょう。この日の曲は相当にこんがらがったものでしたが、彼女のソロのパートになるとグチャグチャっとしていたところにパッと明るい道筋が示されたような感覚にとらわれます。まるで魔法みたい。

休憩後はアルプス交響曲。この曲は、ええと、すごく迫力がありました。
すいません、いかにも「この曲はわかりません」ってのがアリアリの感想で。

ところでこの演奏会、当日会場にふらっと行ってみたら、10ドルでチケット買えました。安ーい。
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by ring_taro | 2005-03-25 18:12 | クラシックの演奏会
フィラデルフィア管弦楽団室内楽演奏会 (Feb. 27, 05)
キメル・センター、ペレルマン・シアター

ボザ: 金管五重奏のためのソナチネ
アレンスキー: ピアノ四重奏曲第一番
ストラヴィンスキー: 管楽器のための八重奏曲
マルチヌー: キッチン・レビュー (La Revue de Cuisine)
(マルチヌーの曲はなんと日本語にしていいのかわかりません。とりあえずプログラムにのっていた英訳"The Kitchen Review"をそのままカタカナにしました。)

フィラデルフィア管弦楽団はオーケストラのコンサート以外にも、団員を中心にした室内楽演奏会を年六回日曜におこなっています。結構お得な値段(28ドル~15ドル)でフィラデルフィア管の名手たちの演奏が聴けるとあって、かなり人気があります。昨年11月にはエッシェンバッハとナージャ・サレルノ=ソネンバーグが加わり、ドヴォルザークのピアノ五重奏曲Op. 81を演奏をするなんて豪華なプログラムもあり、そのときはチケットを入手することができませんでした。

今回の演奏会では後半の二曲がとてもよかったです。(逆にいうとボザとかは完成度と言う点では相当アレでした。)特にストラヴィンスキーは少しのほころびも見当たらない完璧な演奏でした。

とりあえずストラヴィンスキーは演奏者を書いておきます。

デビット・クレイマー: フルート
リカルド・モラレス: クラリネット
ダニエル・マツカワ: バスーン
アンジェラ・アンダーソン: バスーン
デビット・ビルガー: トランペット
ジェフリー・カーナー: トランペット
マシュー・ヴォーン: トロンボーン
ブレア・ボリンジャー: トロンボーン

なかでもトランペットのデビット・ビルガーはすばらしい。去年、フィラデルフィア管がコープランドの「クワイエット・シティ」をやったときにソリストでした。輝かしさのなかに柔らか味のある音。いいですね。でもオケのなかに入ると時として存在感が薄くなるのですがどうしてでしょう。

あとはしつこいようですがクラリネットのモラレス。この人は本当にうまい。僕は完全にトリコです。

マルチヌーの「キッチン・レビュー」ははじめて聴きましたが、愉快な曲でした。バレエ音楽を四楽章からなる組曲に縮めた、ヴァイオリン、チェロ、クラリネット、バスーン、トランペット、ピアノによる音楽です。

プログラムによるとそのあらすじは・・・ポットはナベブタを愛し、ナベブタもポットが好き。でも意地悪な泡立て器はポットをナベブタから引き離す。皿用フキンが気落ちしたナベブタに言いよりさあ大変。モラルはいたるところで崩れ堕ちようとしているぞ(moral bankruptcy lurks around every corner)・・・ってなんだこりゃ?

マルチヌーがパリにやってきたころ、その街は「シュールレアリスム」で大盛りあがり。チェコの田舎からやってきたマルチヌーはそんななかで必死こいてシュールレアリスムなバレエに取りくむのであった・・・だそうです。
シュールレアリスムってこういうもののことをいうのですか?

一番ケッサクなのは三曲目の「チャールストン・ダンス」。二曲目の濃厚で重苦しめの「タンゴ」からアタッカで続くこの曲、モラレスやビルガーがとたんにスイングし始める。このギャップがおもしろい。

必死こいてお茶目な曲を書くマルチヌーと、必死こいてお茶目に吹くビルガー。どっちもかわいい。たまらん。

おもしろいなこの曲。今度CD買おう。
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by ring_taro | 2005-03-01 16:08 | クラシックの演奏会

最後の最後に一番の名演

フィラデルフィア管弦楽団演奏会 (Feb. 25, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

グリーグ: ピアノ協奏曲
シューベルト: 交響曲第九番「グレイト」

ヴォルフガング・サヴァリッシュ: 指揮
ユンディ・リ: ピアノ

2004-05シリーズ最後のサヴァリッシュ指揮の定演です。
今回のサヴァリッシュ指揮の三回の演奏会のなかでは、この日の「グレイト」が一番よかったです。

グリーグでピアノを弾いたユンディ・リって、最近日本でも人気がありますよね。
プログラムの写真をみたら、ジュビロ磐田の藤田選手そっくり。で、でてきたのを見たら、レジーナの中村選手とフェイエノールトの小野選手を足して割った感じでした。まあ、見た目はどうでもいいのですが。

一番印象に残ったのはそのタッチの強靭さ。結構後ろの席で聴いていたのですが、細かい音までよく聴こえました。今までこのホールで聴いたピアノの中でも、音の明晰さでは際だっていました。音楽にあいまいな部分が一切ないところが好感が持てます。

1982年生まれ。これからスタイルはどんどん変わっていくのでしょうが、今のところ音の力強さが最大の魅力のようです。そういうところが、グリーグにあっていたと思います。

ところで休憩時間のあいだ、隣に座っていたマダムがずーっと「すばらしいわー!なんといっても若い!若いわー!いいわー!」と話しかけてきました。
どこの国でも、なんというか、その、同じなんですね。

休憩後のシューベルトはとてもすばらしかったです。
前半のグリーグでも、前回書いたようなところどころでのオーケストラの「緩み」は気になっていたのですが、シューベルトではそういったことは一切ありませんでした。(どうも緩みの原因はオーケストラの集中力の欠如だったように思えてなりません。)

木管の名手たち、例えばオーボエのリチャード・ウッドハムズやクラリネットのリカルド・モラレス、がすばらしかったです。弦とうまいこと音を混ぜながら存在感もしっかり見せるあたりはまさに匠の域。二楽章なんて「はやく終わんないかなー」なんて思うこともしばしばな僕ですが、あっというまに終わったように感じましたもん。

それにしても、このオケはそれぞれの楽器の音を重ね合わせて一つの「色」にするのが本当にうまいです。キツめの色がニュッとでてきて自己主張をしだす、なんてことは決してありません。ここらへんがニューヨーク・フィルとの一番の違いですね。

あいかわらずサヴァリッシュのテンポ設定はゆったりめ。しかしそのようなおおらかな流れの奥底にかなりの緊張感が潜んでいたことが、この日がそれまでの二回の演奏会と異なる点でした。

来シーズンのサヴァリッシュはハイドン、メンデルスゾーン、ブラームスの交響曲など。お、ヒンデミットの変ホ長調交響曲なんてものもある。
楽しみになってきました。
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by ring_taro | 2005-03-01 13:47 | クラシックの演奏会
フィラデルフィア管弦楽団演奏会 (Feb. 19, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

ヒンデミット: 弦楽と金管による演奏会用音楽
チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン: 交響曲第一番

ヴォルフガング・サヴァリッシュ: 指揮
デビット・キム: ヴァイオリン

サヴァリッシュ指揮による定演第二弾。チャイコフスキーのコンチェルトを演奏するキムはフィラデルフィア管のコンサート・マスターです。

前回の演奏会でもちょっと感じたのですが、サヴァリッシュ指揮のフィラデルフィア管は、ところどころで音楽が「緩む」んですよねー。音楽的意図とは関係なしにテンポがふっと速くなったり遅くなったり、突然ノーテンキな音を出しちゃったりとか。なんか集中力の欠如からくる緩みって感じ。
まあ、細かいところまでガチガチに音楽を引き締めていくタイプの指揮者ではなさそうですしね。「おおらかな音楽」ということで。

ただ、この時期フィラデルフィア管は本当に演奏会が多かったのです。基本的に木・金・土・火が定期演奏会で、その合間に13日(日)はムーティー指揮によるファンド・レイジングのための演奏会(残念ながら僕は聴きにいけなかったのですが)、14日(月)はヴァレンタイン特別演奏会。いつこのプログラムの練習をしたんですか?という状態です。

ただそんななかでも、ベートーヴェンはとてもいい演奏でした。
こういうゆったりとしたテンポの中で、それぞれの楽器がとびきりきれいな音を重ねていくというベートーヴェンもいいものですね。

来年度のシリーズではエッシェンバッハがベートーヴェンの交響曲を全曲やるのですが、こんな落ち着いたゆったりと聴けるベートーヴェンにはならないでしょうね。もっとスリリングなものとなるでしょう(いろんな意味で。)まあ、楽しみであるのですが。

それにしても遅かったなー。一楽章提示部をきっちり繰りかえしているためもありますが、30分ほどかかりました。ええと、僕が持っているトスカニーニのCDは23分40秒か。まあ、トスカニーニと比べてもしゃーないか。
普通は何分くらいなんでしょうかね。
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by ring_taro | 2005-02-28 16:56 | クラシックの演奏会

あー、叱りとばしてぇー

メトロポリタン・オペラ公演 (Feb. 17, 05)
メトロポリタン・オペラハウス

プッチーニ: トゥーランドット

ベルトラン・ド・ビリー: 指揮

アンドレア・グルーバー: トゥーランドット
クラッシミル・ストヤノヴァ: リュー
ヨハン・ボータ: カラフ
(その他のキャストは省略)

ニューヨークに行く用事があったので、ついでにメトロポリタン・オペラを観てきました。メトは初めてです。

当日会場に行ってみてもしチケットが売り切れだったら、隣のニューヨーク・フィル(シャイー指揮でストラヴィンスキーの火の鳥他)でも聴こうかなあと思っていたのですが、運よく一番安い席(Family Circle, 26ドル)が残っていました。

五階席の後ろの席だったのですが、まー舞台が遠いねー。外野席で野球観てるみたい。しかしでっかいホールだなー。どれくらい入るんだろう。え?約3700人?すげー。それで連日ほぼ満席になるんだからすごいよなー。

あとすべての席に字幕がついているんですね。これも驚きました。

グラモフォンででているDVDと同じセット・演出だと思います。そのセットの豪華さといったら・・・。第二幕第二場の幕が開いて、でっかい宮殿が舞台にあらわれた時、観客席から一斉に「おおお!!」と声があがりましたもん。

舞台の豪華さもさることながら、オーケストラの充実っぷりも今まで観たどのオペラよりもすばらしいものでした。なかなかピットのオケからここまで緊張感のあるをサウンドを聴くことはできません。

また聴きに行きたいなー。もうちょっといい席で聴きたいけど、高いもんなー。

それにしてもこのオペラを観るたびに、カラフのあまりの身勝手さに説教したくなります。
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by ring_taro | 2005-02-28 13:50 | クラシックの演奏会
東京カルテット演奏会 (Feb. 16, 05)
キメル・センター、ペレルマン・シアター

ハイドン: 弦楽四重奏曲「騎士」 Op. 74, No. 3
ウェーベルン: 緩徐楽章 (Langsamer Satz)
ベートーヴェン: 弦楽四重奏曲第15番 Op. 132

僕は弦楽四重奏はあまり頻繁に聴くわけではないし詳しくもないのですが、そんなシロウトの僕でも先日聴きにいったジュリアード・カルテットとはまったく違う響きだとわかりますね。

ジュリアード・カルテットはそれぞれの奏者の強烈な音を重ねあわせることで音楽をつくっていくのに対して、東京カルテットは一糸乱れぬアンサンブルで凝縮された音楽をつくります。スケールの大きさや音楽の放つ熱量ではジュリアード、完成度や集中力では東京といった感じでしょうかね。

以下、曲ごとの感想を。

僕はハイドンの「その時代の制約された音楽の形式やルールの中でどんだけこっそり自己主張を仕込むことができるかという遊び心」が大好きです。例えばソナタ形式の再現部はタダでは再現しないぞみたいなね。交響曲なんかにくらべて弦楽四重奏はそのことがよりはっきりとわかります。

ウェーベルンはずいぶんわかりやすい曲だなあと思ったら、かなり若いころ(1905年)の作品なんですね。すごくきれいな曲でした。

そしてベートーヴェン。
後期ベートーヴェンのピアノソナタや弦楽四重奏の音楽的な深さは、他の追随をまったく許さないものがありますね。Op. 132は45分くらいかかる大曲なのですが、なんていうか、もうホント、聴いててクラクラしてきます。

特に第三楽章モルト・アダージョのすばらしさといったら・・・。寂寥感と懐かしさがいっぺんに押しよせてくる感じ。
そこに描かれているのは広大な抽象の世界。でもその世界のなかに決して開かない扉があって、その扉の先にはいつかの懐かしい決して戻ることのできない風景が広がっている。
そんな感じでしょうか。

ま、妄想はさておいて。

東京カルテットのすばらしさは、そういった曲ごとの魅力を最大限に引き出してくれるところにあります。演奏のすばらしさよりも、曲のすばらしさで胸がいっぱいになる。

そんな演奏にあこがれます。
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by ring_taro | 2005-02-28 03:41 | クラシックの演奏会
オペラ・カンパニー・オブ・フィラデルフィア公演 (Feb. 11, 05)
アカデミー・オブ・ミュージック

ヴェルディ: アイーダ

指揮: コラッド・ロヴァリス
(歌手名等は省略。アイーダ役のアンジャラ・ブラウンが急病のためリサ・ダルチラスが代わりをつとめました。残念。)

前回のドン・パスクァーレのセットがちょっとアレな感じだったのに比べて、アイーダのセットは実に豪華でした。オーケストラも今回の方が相当うまく聴こえました。お客もほぼ満員。パーシャル・ビュー(舞台の一部が見られない席)しか売れ残っていませんでした。ていうかアカデミー、パーシャル・ビューな席多すぎ。

どーしてもこのオペラは物語の流れというか、後半のグダグダ感がひっかかるのですが、まあそんなことを気にしてたらオペラなんで観られませんよねー。個人的に一番ツボなのは途中まで散々かき回しといて、舞台の外であっけなく死んじゃうあの人。

でも何度聴いても二幕のフィナーレは派手で感動しますねー。
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by ring_taro | 2005-02-28 01:17 | クラシックの演奏会
フィラデルフィア管弦楽団演奏会 (Feb. 10, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

ドヴォルザーク: スラブ舞曲集 Op. 72
ベートーヴェン: ヴァイオリン協奏曲

ヴォルフガング・サヴァリッシュ: 指揮
レオニダス・カヴァコス: ヴァイオリン

フィラデルフィア管の前音楽監督サヴァリッシュがこの後数公演の指揮を担当。

サヴァリッシュといえば、僕が高校生のころからN響でよく聴きました。懐かしいなあ。部活終わりに友達とNHKホールに連れだって聴きに行ったものでした。あのころは学生席は1000円だったと思います。すんごい舞台から遠い席だったけど。

あのころのイメージは、「ちょっとスケールが小さめだけど端正な音楽をつくる指揮者」といった感じでした。持っていたメンデルスゾーンやシューマンのレコードもそんな音楽でしたね。
今回フィラデルフィア管との演奏会を何回か聴いてみると、音楽の作り方に大きな変化はなかったのですが、全体的にテンポが遅くなってスケールが大きめになっていました。

スラブ舞曲集はねえ…、すごく美しい演奏だったのですが、八曲もぶっ続けで聴くと疲れちゃいますねえ。ブルックナーとかならどんなに長くても平気なのに、不思議ですねえ。

カヴァコスのベートーヴェンはゆったりとしたテンポのなか、どれだけ美しい音を聴かせられるかで勝負するタイプの演奏でした。音の美しさでは今まで僕が聴いたヴァイオリンの中でも群を抜いていました。

しかしこのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、一聴「きれいだけど長めの曲」ですが、一筋縄ではいかない曲ですねえ。とくに一楽章は冒頭ティンパニで提示されるされるリズムが楽章の最後までどこかで響いているし、ヴァイオリンがソロを弾いているあいだところどころで管楽器がずーっと音を伸ばしているところなんか結構グロテスクだったりして。
僕が一番好きな個所は二楽章の後半、弦のピッチカートのなかヴァイオリンがソロを弾く部分です。「瞑想」みたいな感じがすごい好き。カヴァコス/サヴァリッシュのおそーいテンポが一番心地よかった部分です。
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by ring_taro | 2005-02-28 00:49 | クラシックの演奏会
フィラデルフィア管弦楽団演奏会 (Feb. 03, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第三番
エルガー: 交響曲第一番

ドナルド・ラニクルズ: 指揮
アンドレアス・へフリガー: ピアノ

へフリガーというピアニストは一言でいうならば、「鬼才系」。ベートーヴェンを終始ねっとりと演奏。
二楽章冒頭のピアノソロを聴いたとき、このテンポのままだったら一体何分かかってしまうのだろうとビックリしましたもん。他にもちょこちょこ「おかず」は入れるわ、何の脈絡もなく突っ走りだすわ。それはもう面白かったです。

スコットランド出身の指揮者ラニクルズは、そんな鬼才系をぴったりサポート。
エルガーの交響曲もゆったり目のテンポで堅実に音楽をすすめていきます。四楽章のクライマックス、一楽章冒頭のメロディが高らかにならされる部分はいいですねー。何度聴いてもアツいものがこみ上げてきますねー。

エルガーの音楽って、本当は感傷的な人間が必死に紳士然としいている感じがとても愛らしいです。
三楽章の途中、不意にディーリアスみたいな音楽になったかと思ったらスッとエルガーに戻る部分があります。格式高そうなお屋敷の部屋のしっかり閉められたカーテンの向こうに、チラッとイギリスの田園風景が見えたようなこの部分が大好きです。
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by ring_taro | 2005-02-27 08:28 | クラシックの演奏会

ああ、若さよ…

カーティス交響楽団演奏会 (Jan. 30, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

ドヴォルザーク: 謝肉祭序曲
ロータ: トロンボーン協奏曲
マーラー: 交響曲第一番

クリストフ・エッシェンバッハ: 指揮
ニッツァン・ハロッズ: トロンボーン

世界的に有名なフィラデルフィアのカーティス音楽院の学生たちのオーケストラです。ふむふむ、メンバーは14歳から26歳まで・・・みんな僕より年下かあ。若い。

今回の指揮者はご存知フィラデルフィア管音楽監督のエッシェンバッハ。マーラーの一番は来日公演でフィラデルフィア管がやる曲でもあり、どんなものかなあと聴いてきました。

一番安い席を買ったら5ドルでした。四階席の舞台の裏側の席。舞台をほとんど真上から見下ろしている感じ。こんなところでオーケストラを聴くのは初めてだし、演奏する方もこんなところから見下ろされたらやりづらいだろうに。

当たり前といえば当たり前の話ですが、フィラデルフィア管とはまったく違う音のオケでした。フィラデルフィア管は最大の魅力である高弦を前面に出してその他の楽器はそれを邪魔しないように音を混ぜていきオケの音色をつくりあげているのですが、カーティスのオケは低音から高音へとピラミッド型に積み重ねていく教科書どおりの音の作り方です。
そしてそんななかでも金管は元気いっぱいに吹きまくる。いやー、若いね。

エッシェンバッハはそんな若いオケのなかでもしっかり自らの「手癖」を仕込むことを忘れません。特にマーラーの第二楽章は細かい仕掛けを仕込みたい放題。急に音を小さくしたかと思ったら急激なクレッシェンドとか、快調にドライブしていたかと思ったら急ブレーキとか。手元にスコアがないので、それが楽譜に忠実に演奏した結果なのか指揮者のやりたいようにやっているだけなのかはわかりませんが。(なんとなく後者のような気がする・・・)
一歩間違えれば辟易モノの演奏ですが、最近そんなエッシェンバッハが心地よくなってきた。もう中毒ですな、中毒。

マーラーの一番ははるか昔にアマオケで吹いたことがあって懐かしいなー。四楽章で弦だけになる静かな部分は今聴いてもグッとくるものがあります。
クライマックスでホルンは立ちあがって吹くのですが、それがタイミングが難しいわ恥ずかしいわで。

中プロは『ゴッド・ファーザー』で有名なイタリア出身の作曲家ロータによるトロンボーン協奏曲。ソリストのハロッズはフィラデルフィア管の首席奏者ですが、弦をたてて控えめなフィラデルフィア管金管セクションの中でもブカブカ吹きまくる異色派。
でも、僕はこーゆーヒロイックな音色のトロンボーンは嫌いじゃなくてよ。
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by ring_taro | 2005-02-27 07:48 | クラシックの演奏会