アメリカはフィラデルフィアに住む“りんたろう”のブログ


by ring_taro
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カテゴリ:ジャズ( 6 )

Jimmy Scot and the Jazz Expressions
Dianne Reeves (Apr. 22, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

会場につめかけた人々のジミー・スコットに対する「リスペクト」がすごかったです。なんだかその敬意が発する暖かさがホールを満たしている感じ。

で、ジミー・スコットはというと、それはもう「音程」とかそういう瑣末なことはもはや超越した境地。暖かーい声で歌います。幸せなひと時です。

後半はダイアン・リーヴス。
ここまで巧くて正確なジャズ・ボーカルってあるものなのか!押しても巧いし、引いても巧い。まさに自在な歌。一番印象に残った曲は、セロニアス・モンクの「リフレクションズ」です。モンクがつくった曲はそのキテレツさに目がいきがちですが、実はとっても美しいということを再認識いたしました。


ところで今回のコンサートの客層は、同じホールで行なわれるフィラデルフィア管弦楽団のそれとはまっっったく違うものした。そしてみんな思い思いのおしゃれをして来るのです。普通の格好で行った自分が恥ずかしいくらい。そのおしゃれの多様なこと。クラシックのコンサートでのやや画一的なものとは違い、カラフルなものあり、自らの民族的ルーツを意識したものありと、観客を見ているだけでも退屈しないくらいです。そしてコンサートが終わると、みんな幸せそうな顔をして家路につきます。

以前、リッカルド・ムーティがこの街についての「文化的に洗練された人は一握りしかいなくて、まるでゲットーだ」という発言(をしたと書かれた記事)を紹介しました。ムーティが本当にそんなことを言ったのかどうかは置いておくとして、それは物事のほんの一面しか捉えてないことがわかります。
フィラデルフィアの人はみんなとっても文化的に生きています。
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by ring_taro | 2005-04-24 23:04 | ジャズ
The John Scofield "Real Jazz" Trio
Brad Mehldau Trio (Apr. 8, 05)
ペンシルヴァニア大学、アネンバーグ・センター

John Scofield: Guitar
Bill Stewart: Drums
Steve Swallow: Bass

Brad Mehldau: Piano
Larry Grendadier: Bass
Jeff Ballard: Drums

ジョン・スコフィールドとブラッド・メルドー・トリオのダブル・ビル

僕はこのダブル・ビルというのが大好きです。それぞれのグループが一時間弱のライブをやって、間に休憩が入ります。好きな理由は、単純に「二度おいしい」ということもありますけど、集中力が持つでしょう。

この一時間弱っていのがいいのです。そもそもジャズクラブの1セットもそれくらいの時間ですし、レコードを通して聴いてもそんなもんだったでしょう。
と、自分の集中力が持たないことを棚に上げて、勝手なことを言ってしまいました。

ジョンスコのギターはおもしろいですねー。「あ、結構まともだな」なんて思ったとたんに、音が歪む歪む。引きつる引きつる。聴いてると視界がグルグルしてくるようなギターです。
バカラックの「アルフィー」なんて曲もやって、それはそれで素敵だったのですが、やはり真骨頂は三人まとめてドドドドネチョグキャーンと暴れる曲。

あと、ベースのスティーブ・スワローがすごく良かったです。この人のベースって、音楽を支えるのではなくて、スッと流れのなかに入って漂うって感じですごく好きです。そんなスワローのベースが、ジョンスコのぐっちゃぐちゃなギターとからみ合うのだからたまりません。

後半のブラッド・メルドーは、冒頭の深ーいピアノの一音から、ジョンスコでアツくなった聴衆の心を一気に覚ましました。(冷ます?醒ます?いや、やっぱり「覚ます」。)僕はここまで左手が「語る」ジャズ・ピアノを聴いたことがありません。この左手が重く深いんだ。

レディオヘッドの曲あり、レノン/マッカートニーありとバラエティに富んだ選曲でしたが、一番印象に残ったのは「オール・ザ・シングス・ユー・アー」。この曲の解体っぷりはすごかったです。曲が進むにつれ、「あ、この曲、オール・ザ・シングス~だ」と気づいた瞬間があったのですが、またすぐにそれが闇の中に消えていきました。

楽しいコンサートでした。これ、順番が逆「メルドー→ジョンスコ」だったらダメだったでしょうね。

ところで一緒に行った人に「すごくよかったから、おすすめのCDを教えて」と言われてちょっと困ってしまいました。

ブラッド・メルドーの方は、「ベースとドラムスがうるさかった」と言われたので(そうだったかなあ?)、『ライブ・イン・トーキョー』をすすめておきました。

ジョンスコは・・・困ります。最近の「ジャズ」なアルバムだと、この日のみたいにイッちゃってるのって結構ないんですよね。今回のトリオによる録音や、ブラッド・メルドーと共演しているものもあるのですが。。。気に入ってもらえるかなあ。それに僕もジョンスコの全てのCDを聴いているわけではないし。うーん、ジャムバンドかなあ。

なにかいいCDがあったら教えてください。

これがクラシックだったら、「ちょっとズレたものを貸して反応を楽しむ」なんて事をする余裕が多少はあるのですが。
(以前「ブルックナーの交響曲って聴いたこと無いんだけど、なんかいいCDある?」って聞かれて、ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルの九番を人に貸したことがあります。初めて聴くブルックナーがムラヴィンスキーって人の反応を見てみたかったのです。)
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by ring_taro | 2005-04-11 19:56 | ジャズ
Directions in Music (Feb. 23, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

Herbie Hancock: Piano, Keyboard
Michael Brecker: Tenor Saxophone, EWI
Roy Hargrove: Trumpet

(プログラムにはBassとDrumsはそれぞれJohn PatitucciとBrian Bladeと書いてありましたが、都合によりメンバーの交代があったようです。公演前にアナウンスがあったのですが聞き逃してしまいました。DrumsはおそらくTerri Lynne Carringtonだったと思います。)

「ドルフィン・ダンス」のような往年の曲からそれぞれのオリジナルまで、実に充実かつスリリングなコンサートでした。

ロイ・ハーグローブは初めて聴いたのですが、柔らかさとパワフルさをあわせもったすばらしいトランペッターでした。特にそのハイトーンの輝かしさといったら。お客が一番盛り上がった部分でした。

マイケル・ブレッカーは最初のうちは「なんかいろいろ言いたいことはあるみたいだけど、なにも言わないうちに終わっちゃったなあ」みたいなソロが多かったのですが、後半調子にのってきました。やっぱこの人はすごいわ。
サックス意外にもEWI(イーウィ)と呼んでいたウインド・シンセも吹いていたのですが、これが面白い。途中でこの楽器をデモンストレートするコーナーがあったのですが、一人で音を次々重ねていっていって、最初エキゾチックな感じだった音楽が次第にファンキーなものに変わっていく様には感心しました。

ハービー・ハンコックは興に乗ってくると、アブストラクトなソロが次第にヘッド・ハンターズになっていくところがかわいらしかったです。

アンコールの最後は、出た!「カメレオン」。(ていうかそれまでのハービーのソロにも、ところどころカメレオンは顔をだしてたのですけど。)お客はみんな大喜び。最初のベースラインがでたとたんに大騒ぎです。ロイ・ハーグローブがワーワー、マイケル・ブレッカーはEWIで吹き始めて、後半アコースティックなサウンドに切り替えてキモチよさそうに吹きまくります。
名曲はいつまでたっても色あせないのですね。
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by ring_taro | 2005-03-01 02:34 | ジャズ

あ、生ゴードンさんだ!

Jim Hall (Feb. 18, 05)
ヴィレッジ・バンガード

Jim Hall: Guitar
井上智: Guitar

ニューヨークのジャズクラブ「ヴィレッジ・バンガード」。昔から行きたかったんですよ。

たまたまヴィレッジ・バンガードの70周年アニバーサリーで出演者が豪華な時期でした。前の日はウィントン・マルサリスだったみたいだし。

階段を下りていくと・・・、おおっ映画『ブルーノート物語』にも出てきたあの女主人だ。うわー本物だ、迫力あるなー。なんていろんなことに感動しっぱなし。

ジム・ホールと井上智さんとのデュオで「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」(ああ、ジム・ホールのマイ・ファニー・ヴァレンタインですよ!)から始まり、スタンダードありオリジナルあり「赤とんぼ」なんて選曲もあり、最後は「セント・トーマス」。

デュオは息がぴったり。井上智さんのギターはジム・ホールをしっかりサポートしたかと思ったら、自分のソロではしっかりいいたいことをいうすばらしいものでした。すごく引き出しの多い人ですね。

ジム・ホールのギターは、もう「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」が始まった時点で胸がいっぱい。女の人が水の中をただようあのジャケットがぶわーっと浮かんできました。でもただ懐かしいだけじゃありませんよ。曲によっては結構新しくて面白い音をだしたりして飽きさせません。
しかしジム・ホールが目を閉じスッと弦に手を触れ、そして美しいメロディーがとめどなく流れる。実に詩的な情景でありました。

そしてとても面白くてかわいらしいおじいちゃんでした。

「次の曲はオール・ザ・シングス・ユー・アー。この曲は僕の奥さんが大好きでねえ。だからいままでで一番弾いた曲だよ。」

「次の曲も鳥に関するもので、スカイラーク。って、ええと、"とんぼ"って鳥だっけ?サトシさん。」

こういうあたたかいユーモアセンスっていいですね。


ところで前の日にメトロポリタン・オペラで隣に座っていたドイツ人グループを、この日の昼にメトロポリタン美術館で見かけたのですが、なんとヴィレッジ・バンガードでも会いました。観光客の行くところなんて決まってるんですねー。
それにしても趣味があいますね、ドイツのおじさん。
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by ring_taro | 2005-02-28 15:29 | ジャズ

リズムだ!リズムだ!

Jack DeJohnette Latin Project (Feb. 05, 05)
ペンシルヴァニア大学、アネンバーグ・センター

Jack DeJohnette: Drums
Don Byron: Clarinet
Giovanni Hidalgo: Congas
Edsel Gomez: Piano
Jerome Harris: Bass
Luisito Quintero: Percussion

なんとなしにネットサーフィンしていたら、ペンシルヴァニア大学にジャック・ディジョネットが来ることを発見。
このPenn-PresentsというHPをみてみたら、ずいぶんと面白いプログラムが目白押しですね。やっぱアメリカの一流大学はすげーなー(嫉妬)。お、4月にはジョン・スコフィールド+ブラッド・メルドーなんてものもある。これは絶対行こう。

というわけで、ペンシルヴァニア大学に行ってきました。

ジャック・ディジョネットを中心にしたラテン・ジャズのコンボでした。
ピアノのエドセル・ゴメスは「ピアノは打楽器じゃ」系のピアニスト。プログラムの紹介に「セシル・テイラーをほうふつとさせる」と書いてあって、まあそれは正直よくわからんけども、とにかくがっつんがっつんピアノを叩きまくる。実に気持ちがいいです。
打楽器奏者が三人いて、しかもピアノがアレなので、終始リズムリズムリズム。本当に楽しいなーこれは。
途中ちょっとダレてきたかと思ったら、ベースの人が美声で歌いだすし。あー本当に楽しいなー。

ディジョネットのドラムを生で聴くのは初めてでしたが、さすがという他ありませんね。叩きたいだけ叩いといて、それでも音楽の流れを滞らせることがありません。あー楽しい。
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by ring_taro | 2005-02-27 09:04 | ジャズ

人間の声って、凄すぎ

Bobby McFerrin featuring Voicestra (Jan. 16, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

友人に誘われてボビー・マクファーリンのコンサートに行ってきました。

僕はこの人の音楽はちゃんと聴いたことはなかったのですが、指揮者としても活躍されているそうですね。ぜんぜん知りませんでした。

マクファーリンと「ヴォイストラ」という名前の男女それぞれ6人づつのヴォーカリスト集団によるアンサンブルに、曲によってはフィラデルフィアの高校生たちの合唱が加わる演奏会でした。つまり器楽による伴奏は全くなしのア・カペラ。

基本的にコール・アンド・レスポンスのかたちで音楽はすすんでいき、それが舞台後方の合唱団まで広がっていったり、たまに客まで巻き込んだりして、終始愉快な演奏会でした。客いじりがうまかったなあ。

しかしマクファーリンは高音から低音まで、実にありえないくらいの音域を出せるものですね。その脅威のテクニックを駆使して、ヴォイストラのつくりだすよせては返す音の波を自由に楽しそうに泳いでいる感じでした。

僕たちは舞台の側面のあたりの席だったので、合唱高校生たちのとなりに座ったのですが、まー、あいつらうるさいわ。やかましいし下品だし。でも、歌いだすときれいな歌声なんだよね。
今年の正月に日本で観た映画『ベルリン・フィルと子どもたち』をちょっと思い出した。あれは歌じゃなくて踊りだったけど。
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by ring_taro | 2005-02-26 12:49 | ジャズ