アメリカはフィラデルフィアに住む“りんたろう”のブログ


by ring_taro
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フィラデルフィア管弦楽団の4月の演奏会のプログラムに、エッシェンバッハのこの夏の予定が載っていました。

フィラデルフィア管弦楽団のアジア・ツアーが6月7日のソウル公演で終わったあと、バンベルグにてバンベルグ交響楽団の二回の演奏会で指揮。その後、昨年まで首席指揮者をつとめたハンブルグのNDR交響楽団で二回の演奏会(6月19日、20日)。6月28日、29日にはシュターツカペレ・ベルリンでプロコフィエフの交響曲五番他。7月頭にはドレスデン・シュターツカペレで三回の演奏会。

7月の半ばにはシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭でその祝祭管弦楽団と三回の演奏会。そのまま、このオーケストラと日本へのツアー。会場は広島、神戸、金沢。8月の頭にはシカゴ郊外のラヴィニア音楽祭でシカゴ交響楽団と四回の演奏会。

まさに大忙し。
二ヶ月ばかりの間に二回も来日するのですね。

フィラデルフィア管との来日公演ではマーラーなどが中心ですが、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン管とは主にブラームスなどをやるようです。

そういえば僕はエッシェンバッハ指揮のブラームスの交響曲を実演で聴いたことはありません。来シーズンも一番をサヴァリッシュ、二番をテミルカーノフ、そして四番をラトルがやるのですが、エッシェンバッハはないようですね。

もし7月に聴きに行かれる方がいらっしゃいましたら、ぜひ感想を聞かせてください。
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by ring_taro | 2005-04-10 20:32 | 音楽全般
フィラデルフィア管弦楽団演奏会 (Apr. 7, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

フォーレ: 「ペレアスとメリザンド」組曲
マクミラン: 交響曲第三番「サイレンス」
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第一番

シャルル・デュトワ: 指揮
マルタ・アルゲリッチ: ピアノ

日本でもおなじみのデュトワがフィラデルフィア管の定期に登場。
ちなみにデュトワはフィラデルフィアでもおなじみの指揮者で、フィラデルフィア管のサラトガにおける夏季シーズンの芸術監督をつとめているそうです。このコンビでラフマニノフの交響曲などをレコーディングしていますよね。

プログラムによると、フィラデルフィア管によるフォーレの「ペレアス~」組曲全曲の録音は63年のシャルル・ミュンシュ指揮のものだけだそうです。
この録音、もし聴いたことがない方がいらっしゃったら、ぜひ聴いてみてください。ああ、あるほど、この組み合わせだとこういう音楽になるのねと納得。ミュンシュとフィラデルフィア管の特徴がおかしな方向にがっつり噛み合って、相当にユニークなものが出来上がっています。一曲目の冒頭から熱風がムワーっと吹いてくる感じ。最初から最後までオケはユルユル。

ああ、思い出しただけでも汗がふきだしてくる。

気を取り直してこの日の演奏ですが、弦ももちろん美しかったのですが、管楽器のソロがとにかくすばらしい!特にオーボエのリチャード・ウッドハムズとホルンのノラン・ミラー。

二曲目「糸紡ぎの歌」のウッドハムズのオーボエの見事さといったらそれはもう…。あいかわらず、ゆとりと軽やかさと詩情と、あとちょっとだけ「ほつれ」が混ざりあった、すばらしいソロでした。

ノラン・ミラーのホルンの音は決して何かを声高に主張するものではありません。しかしその控えめさのなかに、なんともいえない味わいがあります。一聴すると地味ですが、一度その味を知ると、曲の最初から最後までミラーのホルンを追いかけることになったりします。(また追いかけづらいんだ、これが。)
一曲目「前奏曲」の後半、ホルンが単音をモールツ信号のように吹く個所があります。なんということはない所ですが、そこがもう、すばらしかったんですよ。思わずため息が出るくらい。
彼の現在の肩書きはRetired Principalですが、勝手ながら一年でも長くこのオケで吹き続けて欲しいと思います。

マクミランの交響曲は、2003年にデュトワ/N響が世界初演をしたもので、今回が米国での初演。遠藤周作の小説『沈黙』にインスパイアされて書かれたものだそうで、そのためかオリエンタルな感じのフレーズが多用されています。
曲の冒頭と終わりの部分のイングリッシュ・ホルンのソロが見事でした。この曲は始めて聴いたのですが、マクミランらしく金管の強奏あり、ミステリアスなムードありで、とても面白い音楽でした。こう、全体的にカラッとしているところがいいですね。
ただ、お客さんはちょっとお疲れ。

休憩後はアルゲリッチとのベートーヴェン。

この人のパッションの爆発の根源にあるものとはなんでしょうか?あまりアルゲリッチの音楽に詳しくない自分的には、「唐突」なところも結構あったりして、かなりスリリング。オケも苦笑混じりに必死についていきます。

ただ、聴いているうちに次第にわかってくるものですね。「爆発」の前にはその兆しとしてのクッションなり助走なり雌伏なりがあることを理解したら、相当に面白く聴けました。

ただ、デュトワはさすがにアルゲリッチのことをよくわかってらっしゃる。アルゲリッチの自在な音楽に対して、しっかりと先回りしてオーケストラをコントロール。この「先回り」感覚がデュトワの指揮の特徴な気がします。この人は本当に上手いなー。

一番面白かったのは、三楽章冒頭。この頭のフレーズは、一つ目の音は「ひっかけ」で、普通は二番目の音にアクセントがあるのですが、アルゲリッチは明らかに最初の音にアクセントをつけて弾きだしました。これはこれで面白いのですが、旋律が進んでいくにつれて辻褄があわなくなってきます。

この冒頭の部分、ただでさえちょっとこんがらがっているので、この日の演奏ではもうおよそ「混沌」。それでその後、オケは普通のイントネーションで弾いちゃうんだから、もお。ただ、この直後、音楽が一気にクリアなものになるという思わぬ効果があったので、結果オーライということで。
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by ring_taro | 2005-04-09 17:32 | クラシックの演奏会
キーロフ管弦楽団(マリンスキー劇場)演奏会 (Apr. 5, 05)
カーネギー・ホール、アイザック・スターン・オーディトリアム

ムソルグスキー: 「ホヴァンシチナ」前奏曲(ショスタコーヴィチ編)
プロコフィエフ: 交響曲第二番
シベリウス: ヴァイオリン協奏曲
ボロディン: 交響曲第二番

ワレリー・ゲルギエフ: 指揮
レオニダス・カヴァコス: ヴァイオリン

プロコフィエフの交響曲が進むにつれ、これはすごい演奏だなと驚きを隠せませんでした。あまりに「音楽的」なのです。

「そりゃそうだろ音楽なんだから」と突っこまれそうですが、とにかく無駄な音が何一つもない、非のうちどころのない音楽がそこにあったのです。
なのでこの曲の持つとんがった部分、過激な部分、異形さなどが一切どこかへ飛んでいってしまっているのです。何かが飛び出て単独で自己主張することなく、常に「オーケストラ単位」で動いている感じです。

しかしこれはすごいことですよ。だってプロコフィエフの二番ですよ。この曲が持つ「過激さ」とか「いびつさ」が一切取り除かれていたのです。 「音楽的なるもの」のみでつくりあげられた音楽。ゲルギエフ/キーロフ・オケの計り知れないその能力に戦慄すら覚えてしまいました。

ただ、そんなプロコフィエフを聴きながら、取り除かれたその「とんがったもの」を無性に欲する自分がいたことも白状しなければいけません。だってプロコフィエフの二番ですよ、しつこいようですが。物足りないというのとは違うのですが、なにかこう、無性に寂しくなるのです。

もちろん僕が抱いたこの印象には、カーネギー・ホールの音響が多少なりとも影響していたのでしょう。
このホールでオーケストラを聴いたのは今回が初めてなのですが、舞台の上だけで音楽が出来上がっていく印象です。つまり例えばキメル・センターのようにホール全体でサウンドをつくっていくのとはちょっと違うような。音楽が出来上がるのを遠巻きに傍観している感じというのかな。
ただ、このコンビで出ているショスタコーヴィチの交響曲のCDを聴いたときも同じ印象を持ったので、必ずしもホールのせいだけではないと思います。

さて休憩後のシベリウス。
ソリストのカヴァコスは今シーズンのフィラデルフィア管の定演でも聴きました。印象はそのときとだいたい同じで、「きびしさ」よりも「おおらかさ」が特徴のヴァイオリニストです。どんなに切羽詰ったシーンでも、ゆとりは決して忘れないといいますか。あたたかーいヴァイオリンです。まあ、そんなシベリウスはいやぁ!っていう人もいるでしょう。

その一方、オケの強奏のはっちゃけっぷりといったら。。。弾き方吹き方をそのままでシベリウスの交響曲とかをやったら、相当にすんごいものが出来上がっちゃうでしょう。ただ、二楽章冒頭のホルン(とファゴット)は息をのむほど美しかったです。

そして最後はボロディンの二番。
この曲に対するゲルギエフ/キーロフ・オケの愛情というか誇りのようなものを強烈に感じさせる演奏でした。いうなれば、「自分たちが一番この曲をうまく演奏できるんだ」という絶対的な自信というか。遅いテンポでじっくりと音楽を進めていきます。

ただし、そういった愛着や誇りが、この曲について語られるときに良く用いられる「ロシアの土臭さ」へと結びつくわけではありません。くりかえしますが、どこまでも音楽的。

ここまで思いが込められたボロディンというのは聴いたことがありませんでした。特に三楽章。木管からホルン、そしてオーケストラ全体で盛り上がっていくところは、胸が熱くならずにいられませんでした。

ああ、この曲をかつてやっていた頃、オケのメンバーと「イモくさーい」なんて言いあっていた自分をつかまえて、しばきあげてやりたいです。ああ、自分が情けない。

最後にゲルギエフに関する自分なりの小括。
「音楽的なるもの」への強烈な意志。どんなにとんがった曲でも、とっちらかった曲でも、ひとつの「音楽」へとつくりあげていく手腕こそが、ゲルギエフ最大の魅力とみた。
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by ring_taro | 2005-04-08 22:28 | クラシックの演奏会
NYに行ってきました。b0044005_0121556.jpg

今回初めてグレイハウンドのバスを利用したのですが、悪くないものですね。アムトラックの値段の三分の一くらいですし、チャイナタウンのバスよりもゆったりできますし。ただ、真夜中のポート・オーソリティはちょっと怖いですね。

ゲルギエフ/キーロフ・オーケストラはすごく良かったです。
詳しい感想はまた後ほど。

このコンビは来シーズンもNYに来るらしいのですが、それがあなた、ショスタコーヴィチの交響曲を全曲やるプロジェクトだそうですよ。例えば2006年3月12日のプログラムは交響曲第1番、第2番、第10番。13日は第9番と第7番。ショスタコーヴィチ大好きですが、そんなにいっぺんに聴こうなんて発想はありませんでしたわ。

一つのオケで全部一気にやるというのはさすがに無理があるらしく、ロッテルダム・フィルと共同でやるようです。で、例えばロッテルダム・フィルの4月10日のプログラムといえば第15番と第5番。すげー。

ちなみに同時期にエマーソンがおなじ作曲家の弦楽四重奏曲をこれまた全曲演奏するそうです。

あー、聴きにいきたいなー。
いっちゃうんだろーなー。

そういえば数年前にロストラポーヴィチ/新日本フィルがこういうことやってましたよね。団員だった人に、相当キツかったと聴いたことがあります。
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by ring_taro | 2005-04-07 23:52 | 音楽全般
b0044005_042399.jpgこれからちょっとニューヨークに行ってきます。

ところで話は変わるのですが、先の日曜日にキメル・センターにゲルギエフ/キーロフ・オーケストラを聴きに行く予定だったのが、どうしても都合がつけなくなって行けませんでした。

これは個人的に相当の痛恨事。
一昨年くらいにこのコンビで来日したときに聴きに行った人が、相当に良かったと言っていたからです。曰く、「シェエラザードの一楽章で、まるで本当に船の上で大波に揺られているような錯覚にとらわれた」とか。

今回はプロコフィエフの交響曲第二番にボロディンのこれまた第二番と、なかなか聴けないプログラムだったので楽しみにしていたのですが。(ああ、ボロディンの三楽章のホルンソロ!)

ところで今からNY。

ついでになにかコンサートでも聴けないかなーとスケジュールを調べていたら、今夜カーネギー・ホールでゲルギエフ/キーロフ・オーケストラが!しかもフィラデルフィアとおなじプログラム。

これは行かねば、どうしても。

というわけで、一気にNY行きが楽しみになってきました。

来週も行かねばならないのですが、おお、ニューヨーク・フィルをムーティが指揮するではないですか。これも多少無理してでも聴かねば。


※当初「ああ、ボロディンの二楽章のホルンソロ!」と書いていた個所は「ああ、ボロディンの三楽章のホルンソロ!」の誤りでした。訂正してお詫びいたします。

しかし、そこ間違えるって、ありえませんよねー。といいますか、演奏会を実際に聴くまで間違いに気がつきませんでした。こんなどうしようもない私ですが、今後ともよろしくお願いします。
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by ring_taro | 2005-04-06 00:45 | ひとりごと
2005-06シーズンにキメル・センターが主催する演奏会の予定が発表されていました。

主要なオーケストラのコンサートは下記の五つ。

12月9日
ニューヨーク・フィルハーモニック
フリューベック・デ・ブルゴスの指揮、アンドレ・ワッツのピアノで、曲はファリャの「三角帽子」組曲、シューマンの「ライン」、サン=サーンスのピアノ協奏曲第二番など。

2月8日
シュターツカペレ・ベルリン
バレンボイムの指揮とピアノでオール・モーツァルト・プログラム。

3月10日
ボストン交響楽団
リヒャルトの「ティル」、ベートーヴェンの七番など。

4月5日
ナショナル交響楽団
スラトキンの指揮、アックスのピアノでベートーヴェンのピアノ協奏曲第三番や
リムスキー=コルサコフのシェエラザード他。

5月25日
ピッツバーグ交響楽団
マンフレート・ホーネック指揮でモーツァルトの40番、チャイコフスキーの五番など。

アメリカ国外のオケはシュターツカペレ・ベルリン一つだけのようです。(今シーズンはサンクト・ペテルブルグ・フィル、キーロフ・オーケストラ、オスロ・フィルなどが来たのですが。)

レヴァイン指揮のボストン響のコンサートは聴いたことが無いので楽しみです。
ベートーヴェンの七番といえば、僕は今シーズンはマゼール/ニューヨーク・フィルを聴くことができて、今月はデュトワ/フィラデルフィア管を、来月はバレンボイム/シカゴ響を聴く予定です。そういえばフィラデルフィア管は来シーズンもエッシェンバッハ指揮でやりますね。

フィラデルフィアに住んでいればアメリカのメジャー・オケのべト7が聴けると。
しかし、なぜよりにもよってべト7。

まあ、おなじ曲で聴きくらべると、それぞれのオーケストラの特徴が良くわかりますよね。

オケ以外では、ヒラリー・ハンのリサイタルや、パールマンとズカーマンのデュオなどがあります。

ジャズはトニー・ベネット、チック・コリア、ゲイリー・バートン、ブラッド・メルドー、マイケル・ブレッカーなど。目玉は12月のウィントン・マルサリスとリンカーン・センター・ジャズ・オーケストラ。

東京ほどではありませんが、フィラデルフィアも結構な人やオケが来ます。そして何より日本で聴くよりもかなり安いです。あと、こちらではチケットがすぐに完売するということがあまり無いので、ゆとりをもてますね。

これがニューヨークになると、もっとすごいことになります。
ニューヨークで仕事や学問に集中できる人の気が知れん。

というわけで皆さん、ぜひフィラデルフィアに遊びに来てください。
(こういうことを言うのがこのブログの当初の目的であったことを、今思い出しました。)
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by ring_taro | 2005-04-05 19:27 | 音楽全般
b0044005_1285732.jpg4月1日、テンプル大学内のLiacouras CenterにMaroon 5のライブを聴きに行ってきました。
当然といえば当然ですが、日本のロック・コンサートとはいろいろと違うことがあって、なかなか面白かったです。

7:30開演とチケットにあったので、そのちょっと前に到着したのですが、時間になっても2割がたしか客席がうまっていません。どうしたことか、チケットは完売ではなかったのかと不思議に思っていたのですが・・・オープニング・アクトという概念をすっかり忘れていました。

どういうわけかアリーナ席の前から12列目というすごくいい席。こりゃあ楽しみだ。

客層はじつに多様。もちろん若い人が一番多いのですが、小さい子供づれあり、熟年カップルあり。知り合いのおばちゃんに偶然会ったのですが、娘二人を連れてきてました。

オープニング・アクトはDonnas。
鋭いギターが印象的な女性四人組のバンド。個人的にツボだったのは、ステージで行なわれている一切のものに関わろうとしないベースの人。ローリング・ストーンズにいたビル・ワイマンを思い出しました。

9:00近くになってようやくMaroon 5が登場。

とたんに頭がおかしくなりそうなほどの黄色い歓声。『ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!』(しかしおもろい邦題ですよね)みたい。アダム・レヴァインが裏声出したら「キャー」。ジャケット脱いだら「ギャー」。アイドル・グループですか。

一緒に行った人に「Maroon 5はニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックですか?」って言ったら、一言「古い」って返されました。

なんかアリーナ席は無法地帯でしたよ。最前列まで人が殺到して、みんなフラッシュたいて写真撮ってんの。アリなんか、あれ。警備員も「席にもどれ」って注意はしてるけど、カメラは取りあげてなかったし。
そういえば荷物チェックとか一切ありませんでしたね。こりゃあ、ブートレグとかいっぱいできるわけだ。

音楽はすばらしかったです。ヴォーカルのアダムがとにかく上手いしセクシー。相当に魅力的なヴォーカリストですよ。

"Harder to Breathe"から始まり、アンコールの最後は"She Will Be Loved"。あっという間でしたね。始まるまでが長かったですけど。

Maroon 5は2年前にもLiacouras Centerに来ていたそうです。そのときのライブはお寒い限りで、「いつの日かまた来て会場を埋めてやる」と誓ったそうな。2年前に聴きに来てくれた人がこの会場に7人いるそうな。(どうやって知ったのでしょうね。)

「そのときの7人、どうもありがとう。戻ってきたよ。」
「それ以外の2万人のみんな。ようこそ。そして、ファッ○・ユー」

アダムはそんなことを言って会場を沸かせていました。
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by ring_taro | 2005-04-04 12:15 | 音楽全般

ノリントンはおもしろい

フィラデルフィア管弦楽団演奏会 (Apr. 1, 05)
キメル・センター、ボライゾン・ホール

ヴォーン・ウィリアムズ: ロンドン交響曲
ハイドン: 交響曲第104番「ロンドン」
エルガー: コケイン序曲

ロジャー・ノリントン: 指揮

オール「ロンドン」プログラム。
つくづくおもしろいプログラミングをするなあと感心します。

演奏が始まる前にノリントンがトークショーをやりだしました。

まず、曲の順番を変更した理由について(当初はエルガー→ハイドン→RVWというまっとうな順番だったのです)、ノリントンは最後に華やかな「コケイン」を持ってきたかったということと、19世紀ヨーロッパでは演奏会のあたまに一番メインの曲を持ってくることが多かったということを説明していました。

この人、五分足らずのトークで10回以上、「19世紀のヨーロッパでは~」って言ってました。

次にオーケストラの配置について、「フィラデルフィアの美しい伝統は評価する」と前置きしながら、今回演奏する曲がつくられた時代には通常ヴァイオリンは両翼に配置されていたのであり、その方が効果的なのだと言っていました。

実際この日は左から 1st Vn, Vc, Va, 2nd Vn という並びだったのですが、それに加えてコントラバスが舞台後方にズラッと一列に並んでいたり、直管の金管セクションとティンパニが一番右にかたまっていたりと、こだわりを感じさせる配置でした。

最後に弦のビブラートについて、19世紀のオーケストラは現代のようなビブラートはしていなかったとおっしゃってました。

というわけでハイドンの弦は徹底してノン・ビブラート奏法。音程の面で相当辛そうに弾いていましたが、でもこの奏法で演奏されたハイドンやモーツァルトってすごく清らかな音楽に聴こえますよね。

それにしてもこの演奏会の実況録音をオケ名を伏せて聴いたとして、フィラデルフィア管と当てられる人はまずいないでしょう。ティンパニも、それで叩かれたら痛いだろーなーっていうすごく硬いバチで叩いてましたし。
そんななか、管楽器は結構普段どおりでした。トランペットも普通のピストンのやつ(多分、C管)で吹いてましたし。やはり管楽器の方が、曲ごとに奏法を変えるというのは難しいのでしょうか。

ハイドンではノリントンの指揮は遊びに遊んでいました。もし実況録音を聴かれたら、聴衆の笑い声が曲のあちこちで聞こえることでしょう。
ながーい総休止を曲のところどころでいれては客席に振りかえっておどけてみせたり、「ほら、ヴァイオリンは両翼にあったほうがおもしろいでしょ」って感じのジェスチャーをしてみたり。
おもしろいなー。

これ、ハイドンだからできるんですよね。モーツァルトやベートーヴェンではここまで遊べないと思います。僕はそんなハイドンが大好きです。

ロンドン交響曲とコケインでは一転、充実した響きを引き出していました。金管は今回のようにひと塊にまとまった方がいい音な気がします。

ロンドン交響曲を聴いて、ああこういう静かな終わり方よりは、コケインの派手な終わり方で演奏会を閉じたかったんだなとわかった気がしました。静かな終わり方の曲では恒例の「フライング拍手」が予想通りありましたし。この曲の冒頭と終わりでは、弦がこれまたノン・ビブラート奏法でロンドンの街の静寂美しく描いていました。

とりあえず、こんなおもしろい指揮者だとは知りませんでした。
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by ring_taro | 2005-04-03 22:02 | クラシックの演奏会

カテゴリーの変更

b0044005_23352945.jpgカテゴリーをちょっと変更しました。
最近のエントリーのほとんどがフィラデルフィア管に関するものであることに対応するためです。

当初はフィラデルフィアの街のいろいろなことを書いていこうと思っていたのですが、余った時間とお金のほぼ全てを音楽鑑賞に費やしている今となっては、それは不可能。

ところで先日、知り合いの一人がマイケル・ブレッカーの従兄弟だったということがありました。
確か車の中でその人がランディ・ブレッカーのCDをかけてて、「マイケル・ブレッカー好きなんだよ」と言ったら「え?この兄弟、オレの従兄弟だぜ」みたいな感じでした。確かにブレッカー兄弟はフィラデルフィア出身でしたね。
兄弟の子どものころの話、力強く吹くためにあごの手術にふみ切った話などいろいろ面白い話を聞けました。

アメリカの街に住んでいると、有名なミュージシャンの親戚だとか知り合いだとかに出会うことって、結構多いです。

そんなこんなで日曜はゲルギエフ指揮、キーロフ・オーケストラを聴きに行ってきます。
曲はプロコフィエフの交響曲第二番他。

二番か。。。


(写真中央の赤っぽい建物はフィラデルフィア管の旧本拠地、アカデミー。その奥には現在の本拠地キメル・センターがあります。)
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by ring_taro | 2005-04-02 23:51 | ひとりごと
フィラデルフィア管弦楽団の本拠地であるキメル・センターのボライゾン・ホールが音響的な問題を抱えていることが指摘されています。

このホールの音響にちょっと問題があることは以前から耳にしていたのですが、一体どんな問題なのかは詳しくは知りませんでした。どこかにわかりやすい説明がないかなーと調べていたら、Bucks County Courier Times紙の2月2日の記事「キメル・センターのボライゾン・ホールは音響面での改善を必要としている(Kimmel Center's Verizon Hall Needs Acoustic Upgrade)」に簡潔に書いてありました。

Artec社のレポートによると、問題は「低レベルの反響(low level of reverberance)」と「オーケストラが演奏した際の響きが比較的低レベルであること(relatively low level of impact of the orchestral sound)」だそうです。チェロの形をしたこのホールの特異な形状自体に問題があるわけではないけれど、それでもやはり構造上の欠陥があるそうです。

Artec社の提示した改善方法は下記のとおり。

Artec's major recommendation was replacement of more than 100 doors opening into the acoustical chamber surrounding the hall to increase the "strength of the sound of the orchestra" and "increase reverberance."

僕も正確なことはわからないのですが、このホールの側面は反響板の役割を持った無数の「ひだ」のようなもので構成されています。Artec社が取り替えるべきといっているドアとは、これのことだと思います。

これらのドアはファイバーボードと石こうの表面にマホガニー材を付けたもので、一般的なホールの壁の材質に比べると非常に軽いのだそうです。レポートはこれをコンクリート製にすることを提案しています。

エッシェンバッハはこの問題について特別にコメントはしていませんが、Artec社はエッシェンバッハ氏と既に何度か話しあいの場を持ったそうです。キメル・センターの支配人ジャニス・プライス氏は、Artec社のレポートはホールに対する「ダメだし(indictment)」ではなく、ホールの完璧なものにするためのプロセスであると強調しています。

一体どれくらいの費用がかかるのか、お金を出すのはキメルかそれともフィラデルフィア管か、そもそもこの改修は行なわれるのかといったことはまったくの未定(no one is sure)だそうです。ただ、新たな資金集めの活動を行なうことになるだろうとのことです。
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by ring_taro | 2005-04-01 23:45 | フィラデルフィア管弦楽団